先日、ポストカード型のショップカード制作をご依頼いただきました。
打ち合わせの中で、「数あるデザイナーの中から、なぜ私を選んでくださったんですか?」とお聞きする機会がありました。
そのときにいただいたのが、「『印象設計』という考え方がいいと思った」
「自分のことを深く考えてくれそうだと感じた」という言葉でした。
デザインの雰囲気だけではなく、私が制作で大切にしている部分を見て選んでくださったことが
とても嬉しく、改めて自分が大切にしている「印象設計」について考えてみました。
「何色にしますか?」の前に、どんな人なのかを知る
ショップカードや名刺、ロゴを制作するとき、「何色にしますか?」
「どんなデザインにしますか?」と、いきなりデザインの話から始めることはあまりありません。
その前に、まず「どんな人なのか」を知りたいと思っています。
これまでどんな仕事をしてきたのか、なぜ今の仕事をしているのか、どんなお客様に届けたいのか。
仕事をするうえで何を大切にしていて、お客様とどんなふうに向き合っているのか。
一見すると、デザインとは直接関係のないようなことまでお聞きすることがあります。
でも、そうした対話を繰り返していくうちに、その人らしさや仕事への想いが少しずつ見えてきます。
ご本人にとっては当たり前にしていることが、実は大きな強みだったり、何気なく話してくださった仕事へのこだわりが、お客様にとっての安心につながることだったりします。
そうした一つひとつの中に、「この人だからお願いしたい」と思ってもらえる理由が隠れていることがあります。
私は、その人のことを知り、対話を重ねながら「選ばれる理由」を一緒に見つけていく時間も、デザインの一部だと考えています。
自分では、自分の強みに気づきにくい
今回、私自身も同じでした。
「印象設計」という考え方や、制作前にじっくりお話を聞くことは、私にとっては普段から当たり前のように大切にしていることです。
でも今回、それが「あなたを選んだ理由」として返ってきました。
自分では当たり前だと思っていることが、誰かから見ると「この人にお願いしたい」と思う理由になる。
これは、お客様の強みを見つけるときにも同じことが言えるのではないかと思います。
自分一人では気づかなかった魅力も、誰かと話すことで見えてきたり、言葉になったりすることがあります。
だからこそ、私は制作前の対話を大切にしています。
「選ばれる理由」を見つけてから、デザインを考える
その人のことを知り、強みや「選ばれる理由」が見えてきたら、そこから初めて具体的なデザインを考えていきます。
どんな色ならその人らしさが伝わるのか。どんなフォントが合うのか。
どんな写真を使い、どんな言葉を載せれば、届けたい相手に伝わるのか。
そして、見た人にどんな印象を持ってもらい、そのあとどんな行動につなげたいのか。
「なんとなくおしゃれだから」という理由だけではなく、その人の魅力や届けたい相手を考えながら、
一つひとつをデザインに落とし込んでいきます。
ポストカード型ショップカードは「渡した後」まで考える
今回制作しているのは、一般的な名刺よりも大きなポストカード型のショップカードです。
ポストカードサイズは写真を大きく見せやすく、サービス内容や仕事の魅力なども伝えやすいという良さがあります。
ただ、たくさんの情報を載せることが目的ではありません。
今回特に大切にしているのは、今すぐ依頼につながらなくても手元に残してもらい、必要になったときに思い出してもらえるものにすることです。
カードをきっかけに知ってもらい、興味を持った方にはQRコードから実績やSNSを見てもらう。
そして必要になったときに、「そういえば、あの人がいたな」と思い出してもらう。
ショップカードを渡した瞬間だけではなく、その先のお客様の行動まで考えることも、私が大切にしている設計のひとつです。
私が考える「印象設計」
私が考える印象設計は、こちら側で「こんなふうに見せよう」と印象をつくることだけではありません。
まず、その人がどんな人なのかを知ること。対話を重ねながら、その人らしさや仕事への想い、強みを見つけ、「なぜこの人が選ばれるのか」を一緒に考えること。
そして、その魅力を誰に、どんな印象で届けるのかを考え、色やフォント、写真、言葉、紙の質感、Webへの導線などを使って目に見える形にしていきます。
その人の中にすでにある魅力を見つけ、「選ばれる理由」として伝わる形にする。
今回、自分自身が「選んでいただいた理由」を聞いたことで、改めて私自身も、自分では気づいていなかった強みを知ることができました。
「何色にしますか?」「どんなデザインにしますか?」と考える、その前に。まず、どんな人なのかを知る。
これからも、そんな対話の時間を大切にしながら、その人らしさがきちんと伝わり、選ばれるきっかけになるデザインをつくっていきたいと思っています。
